生産性を高めるために運動すべき3つの理由

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近年、経営者が生産性を高めるために運動を取り入れていることが話題になっている。例えば、Paypalの共同創業者のマックス・レヴチン氏は熱心なサイクリスト、楽天の三木谷社長はどれだけ忙しくても必ずマンツーマンでトレーニングをしている。

 

今回は、彼らのようなハードスケジュールの経営者達が、なぜ時間を削ってまで運動をするのか、僕なりに理由をまとめてみた。

 

生産性を高めるために運動すべき3つの理由

1. 運動をすると眠りの質が上がる

2. テストステロンにより自信がつく

3. ドーパミンが分泌され、やる気と幸福度が高まる



1. 運動をすると眠りの質が上がる

運動をすると睡眠の質が上がると言われるが、具体的にはどういうことだろうか?

 

このヒントは、人の体温にある。

 

日本睡眠改善協議会の公認インストラクター、竹内由美氏によると、人の体温は、表皮体温と深部体温(内蔵体温)があり、主に深部体温が睡眠の質に密に関係しているという。

 

深部体温にはサイクルがあり、深部体温が低くなるほど人は眠りやすくなる。深部体温は、目覚める少し前から上がり始め、日中は高い状態を維持し、夕方にピークを迎える。その後は徐々に下がり始め、夜中にもっとも低くなる。

 

つまり、人の睡眠のサイクルと、深部体温は密接にリンクしていて、深部体温を低くした方が眠りやすくなる。では、運動をすると体温があがるのに、眠りが深くなるのはなぜだろう?

 

実は運動をすると一時的には深部体温は上昇するが、その後、血行がよくなって血液が全身をめぐって冷やされ、結果、深部体温は下がりやすくなる。

 

そのため運動をすると眠りが深くなるのだ。眠りが深くなり睡眠の質が向上すれば、睡眠不足から起きる集中力の低下を防ぐことができ、生産性に繋がる。

 

僕は今でこそ毎日走っているが、走る前と後で最も変わったのは、エネルギッシュに行動するために必要な睡眠時間だ。

 

以前の僕は一日7時間は寝ないと、次の日に支障が出ていたが、今では4.5時間の睡眠で大丈夫だ。これは、僕が毎晩30分ほど走っているためだと思われる。

 

ただ一つだけ注意して欲しいのは「眠る直前の運動」だ。竹内氏によれば、眠る直前の運動は深部体温が高くなっているため逆効果で、体温がもっとも高くなる午後遅くから夕方の時間帯に30分~1時間程度の運動を行うと、就寝時間にちょうど深部体温が下がり、睡眠の質が上がるそうだ。

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2. テストステロンにより自信がつく

プレゼン資料を準備しているときに、自分に自信がもてずに、不安がつのり、生産性が落ちた経験をしたことはないだろうか?

 

自信には「テストステロン」と呼ばれるホルモンが関わっている。

 

テストステロンとは男性ホルモンの代表的なホルモンで、これが強いと挑戦欲が強くなる傾向がある。
医学雑誌『米国科学アカデミー紀要』によれば、自信とテストステロンには密接な関係がある

 

テストステロンが多ければ、挑戦→成功→自信、更なる挑戦→更なる成功→更なる自信、というウィナーズ・エフェクトと呼ばれる連鎖が起こるそうだ。

 

テストステロンが運動や筋トレを行うことで体内に分泌されることは、あらゆる研究で報告されている。
筑波大学の研究では、中年の肥満男性31人を対象にウォーキングなどの中強度の運動を取り入れた結果、テストステロンの値が大幅に増加したそうだ。

 

運動・筋トレを行うことでテストステロン値を増やし、自分に自信をつけよう。自信さえ身につけてしまえば必要以上な準備作業などを減らすことができ、生産性の向上に繋がる。

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3. ドーパミンが分泌され、やる気と幸福度が高まる

ドーパミンとは簡単に言うと脳に対して幸福感をもたらす物質のことだ。運動をするとドーパミンが分泌されることはあらゆる研究者が立証済みだ。ではなぜ幸福度が高まると、生産性が上がるのだろう?

「誰かのため」と思った時、自分でも理解できないほどやる気に溢れ、120%のパフォーマンスが発揮できたといった経験をしたことはないだろうか?

 

僕の場合、大好きな先生のためだと思った時はか格段に勉強が捗ったことがある。


幸福についてMRIなどを用いて研究してきたGoogleの研究者チャディー・メン・タン氏によると、「人間は思いやりの心を持った時が最も幸福に感じる」そうだ。また、ハーバード大学出身の心理学者ショーン・エイカー氏による実験で、脳は幸福だと感じている時に生産性が高まると実証されている。


つまり、あの時の僕は、先生への思いやりから幸福感が生まれ、脳が最高の働きをしたのだ。

まとめると、運動をすることでドーパミンが分泌され、幸福感をもたらし、生産性をあげるのだ。

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おすすめの運動

普段オフィスワークが多くなる人へおすすしたい運動は以下。

 

1. スタンディングデスク

立って仕事することで、血液の循環がよくなり、集中力が増す。近年、海外のスタートアップで導入する企業が多数でている。

 

2. ジムでフリーウェイト

マシンを使うのではなく、バーベルのみを使うシンプルなフリーウェイトで筋トレすると、一度の運動であらゆる筋肉に刺激をあたえれるので、効率よく筋力アップできる。種目としては、バーベルをかついてスクワット、バーベルを押すベンチプレス、バーベルを頭上に持ち上げるショルダープレス、バーベルを引き上げるバーベルロー、デッドリフトなどがある。

 

3. 眠る2~3時間前に行う30分程度のランニング

深部体温は運動後約2時間で下がるので、それまでに軽く運動をしておくと睡眠の質を上げることができる。

 

4. ボルダリング

ボルダリングはインナーマッスル系の全身運動なので、バランスよく筋力をつけることが可能。目標が明確なため楽しく運動できるので継続して取り組まれる方が多い。渋谷駅徒歩3分の場所にある宮下公園では、2時間350円で利用できる。

 

5. 自転車での移動

自転車は下半身の運動だけではなく、腰周りの腸腰筋や背筋力なども鍛えられる。時間も短縮でき、バランス良く鍛えられるので忙しい方々には特にお勧めだ。



運動を始める理由なんて何だっていい

運動をすることがいかに生産性に繋がるかを今回は述べたが、理由はそこまで重要じゃない。例えば、今の僕は毎日ランニングとスクワットを習慣として行なっているが、当初は生産性なんて考えていなかった。

 

「運動をしている人は、モテるはず!」という、単純な理由で半年ほど前から取り組み始めた(苦笑)。
とは言え、トレーニングを始めてからの僕は風邪を引くこともなく、今まで以上に仕事もプライベートもエネルギッシュに取り組めるようになった。

 

どのような理由でも良いので、皆さんにも日頃の日常に運動を取り入れてもらいたい。